会話で学ぶベトナム語入門

DHC出版 会話で学ぶベトナム語入門
寺田雄介 欧米・アジア語学センター

ベトナムに行ったのは1999年のこと。
まだ今のように海外で使える携帯もスマホも普及しておらず(いったいいつの時代じゃ!?と思うでしょうけどww)ホーチミンのシンカフェという旅行会社で宿を紹介してもらい、一足遅れてやってくる友人に、その旅行会社の壁に宿の場所のメモを貼って、それを見て来るようにと電話を掛けることにしました。
その頃、海外から日本に電話をするにはクレジットカードを使える公衆電話を使いました。しかし!ホーチミンの街角には公衆電話があるにはあっても壊れていて、なかなか使える電話がみつかりません。
夕方になるとどこの家も道路にゴザを敷いて座ったり寝転んだり、道路がリビング状態になります。
ようやく使える公衆電話が見つかったのですが、その公衆電話にハンモックの一方を結びつけてぶらんぶらんと寝転ぶおばちゃん。
す、すごいぞ、ベトナム!道路は我が家のリビング!!おばちゃんを横目に友人に電話で伝えると、友人は伝言メモを見て、ちゃんと宿までやってきました。
いまならLINEを送ればいいし、場所はGoogle Mapで示せばいいだけ、簡単なことです。まったく時間もかからないことに、相当な時間をさいて連絡を取り合っていたんですねー。
それも楽しい海外旅行の思い出です。

さて、ベトナム語入門のイラストを描かせて頂き、もうかなり変わってしまったんだろうな、と思いながら調べてみると未だにあの大量のバイクの風景は変わっていないし、ノン(菅笠)を被って天秤棒をかついだおばちゃんの姿も変わってないんですね。
場面は違うけれどとても楽しいお仕事でした。